やっと読めた。「漂った男」以外は既読だったけど、加筆修正でより輪郭のはっきりした作品たちは再読であることなど気にならない輝きであります。
ホットジュピターの生命を描いた表題作を除くと、3作いずれも「人間性」について突き詰めた考察を試みた作品だ。この作者ならではの肯定的な姿勢が何より気持ちいい。いやぁ、小川一水の描く理想を恥ずかしいとか言う人がいますけど、きっとその人たちは悪い人なんだ。そうに違いない。
地下迷宮に地図一枚だけ持たされて打ち捨てられる「投宮刑」に処せられた人々の物語、「ギャルナフカの迷宮」。表面がすべて海に覆われた惑星でひとり漂流する羽目になった男の物語、「漂った男」。それぞれラストにこみ上げる感情は、なかなか味わえるものではない。
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