雨はほとんど降らなかったが、今日は朝から強風が吹き荒れた。
窓の外を眺めていると、台風の中でも、スズメらが健気に羽ばたく姿が目に付く。
そうか。こんな逆境でも、こんな小さな体でも、彼らは強く生きていくんだ。
立ち向かって、打ち勝つんだ。
そんなことを考えなかったりしながら見ていると、一羽が風にあおられて失速した。必死で翼を動かすが、横殴りの気流に飲まれた体は前に進むことはできず、ただただ左へと押しやられていく。そして、そのままゆっくりとぼくの見ている方へ向かって流されてきて、窓の真上の軒にごん、とぶつかった。
怪我などはなかったようで、そいつはその後なんとかかんとか嵐の中を飛んで逃げていった。何気ない風を装ってはいたが、ぼくに失敗の一部始終を見られていて、さぞかし気まずかったに違いない。
風の日に飛ぶのは、彼らにとって楽しい冒険なのだろうか。まさに命をかけたスリルであろうて。
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