もりげのどうかと思うような日記

▼ ロバート・Ｊ・ソウヤー『ヒューマン -人類-』

ネアンデルタール三部作の第二部。もっと刈り込めるんじゃないですかとか、複数あるプロット同士の統一感がありませんとか、文句はあるのだけど、思考実験という意味でＳＦの持つ一面を見事に体現してるんじゃないかと。

実際のところ、我々の宗教や世界観の基礎にある、ひとつの願い（のようなもの）、に作中で投げかけられる疑問は、本来は万人が考えてしかるべき事柄かと思います。作中のひとつの案として存在するネアンデルタール的解決は、この世においてはまるで現実的ではないのですけどねえ。

ともかく、ネアンデルタールとこっちの人類との異種間恋愛も進展するし、我々の意識と宇宙の謎に関する大ネタも披露されるし（ま、ソウヤーにありがちですが、こういう文句を真に受けてわくわく読むとちょっとばかりガックリくる可能性はあり）、盛り上がってきた。完結が待たれます。