けっきょく欠かさず見てた『無人惑星サヴァイヴ』もいい感じでクライマックスを迎えております。人類が他惑星に殖民するとはどういうことか、みたいな視点がわずかながら見られるあたり、これから宇宙時代(ほんとかよ)を生きることになる小さなお友達には、ぜひとも見ていただきたい作品だった。
位置づけはジュヴナイルなわけだから、もちろんテーマの落としどころはわかりきっているわけだけれど。
人類など必要ない、と言い切る「メインコンピュータ・サヴァイヴ」に、ナノマシンを通じて人格を支配されてしまったふたりに、あなたはあなたでしょ、と語りかける仲間たち。
「……ぼくは……ぼく?」
「……あたしは……あたし?」
「そう。あなたはあなたでしかない。誰もが自分自身でしかない。そして、ひとりひとりがかけがえのない存在なの」
「そうだ。そしてわたしたちは仲間だ」
超うろ覚えだけど、そんな感じ。いやあ、もちろん世の中こうでなきゃいけないのだ。
何も意味のあること言ってないのに、そのことばによって自分という存在の何かが説明されてしまうような科白というのは、素敵だ。もちろん1年間にわたって、「仲間」として生きる少年達を描いてきたからこそ重みのある科白になりえるわけですが。
世の中、
「俺は、俺だ」
のひとことが全然しっくりこないという、そんな違和感から出発する思索に満ちている。だけどまあ、無人惑星でサヴァイヴしてきた少年達を見てくれ。「ぼくはぼくで、ぼくらは仲間」なのだ。これでなにが悪いのだ。
とか、(一瞬でも)本気で思えるぼくはかなり脳天がパーなしあわせさんなのだ、と思う。その自覚はいちおうありますが。
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