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もりげのどうかと思うような日記

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2004年10月04日(月) 『ひぐらしのなく頃に』やってみそ

秋葉なんかで第二期入荷分販売中らしい

タイトルだけ「ひぐらしのなく頃に終わってしまった」とか書いた日付に、ひぐらし関連のリンクから飛んできてる人がおられてものすごく申し訳ない気分に。

ほかに日記に書くことがないこの機会に(それはいつものことか)、改めて紹介したい。『ひぐらしのなく頃に』は、因習に支配された寒村でおこる殺人、という横溝正史的世界観を、ギャルゲーのフォーマットで、ホラーとして描いたサウンドノベル。ちなみに横溝作品より百倍おもしろいと思う。この組み合わせがまたうまく機能してるんで、ギャルゲーのお約束に慣れてないあなたも、ちょっとつらいだろう序盤の日常パートさえ我慢すればこの作品の見事さに気づくはず。

以前体験版の感想を書いたときはただただ、怖い怖い心臓止まる、とかそんなことを書いたけれど、実際にはもっと質の高い読書……読ゲーム? 体験ができる。キャラクターなんかの名づけ方ひとつとっても、そこには、意外に深い過去の因縁が隠されていたりする。どこまでも理解不能で、そのことが怖くてたまらなかった部分が、あとから読み返すと合理的解釈が可能だったりもする。

そして、信頼できない語り手、という仕掛けまでついてくる。時系列は主人公の意識の通りで合っているのか? 主人公が見ているものは正しいのか? 書いてあることをどこまで信じるのか、というのもプレイヤーが判断する必要があるのだ。

このゲームに選択肢はない。しかし、それぞれちょうど選択肢つきゲームの別ルートに相当するのが、「鬼隠し」「綿流し」「祟殺し」の3編で、同じ設定で進む話なのにもかかわらず、まったく違う形の恐怖を味わわせてくれる。

鬼隠し編の、自分の周りの世界が不条理に変貌し、何も信じられなくなる恐怖は、特にギャルゲーのライトなノリからの落差がはげしく、強い印象を残す。しかし、村自体の過去が明かされる綿流し編の衝撃も、岩が崖を転がり落ちるように厭な方へ、厭な方へ、どうしようもなく話が進んでいってしまう祟殺し編の気持ち悪さも、それぞれ一級の出来だ。

惜しむらくは、ほぼすべての謎を、なにひとつSF的な設定を用いずに説明できる道が見つかりそうなところか。村の伝承についての説明は、なんとか壮大な設定に結び付けて見せてほしいところだったのだが……。

ただ、時系列に関わるSF的トリックは存在するんじゃないかな、と予想している。冬コミからは解決編がスタートなので、そちらを括目して待ちたい。

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