あの、こうして書くと著者名の「・J・」の部分が顔に見えて仕方ないですね。
今頃読み終わって評判をちょっと見て回ってたりしたんですけど、誰も指摘してないようなので書こう。ソウヤーの《ネアンデルタール・パララックス》は、『地球少女アルジュナ』である。
私が見たところ、ソウヤーは本気ですよ、これ。マジもマジ、大マジ。で、その問題意識の少なくとも一部には共感もできる。ソウヤーはそれらを本当に何とかしなくちゃいけないと思ってて、熱を入れて作品にしたんだけど、結局なんだかよくわからない、評価に困るような代物が出来上がってきた。これはすなわち『アルジュナ』みたいなものだったのだ。
だからぼくらにできることは、「うーん、ちょっと、なんかおかしいよね」という言葉を飲み込んで、ソウヤーの熱意を汲み、問題提起を暖かく受け入れることだと思うのだ。作品の良い部分を探すことだと思うのだ。菅野よう子の音楽がない分、その苦しみも増すけどな。
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